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「失敗が嫌だから挑戦しない」子どもたちが、将来AIに居場所を奪われる理由

「失敗するのが嫌だから、最初からやらない」

「一度やってみて上手くいかなかったから、もう諦める」

日々の指導の中で、
このような後ろ向きな姿勢を見せる子どもたちに出会うたび、
私は教育者として、言葉にできないほどの強い危機感を抱かざるを得ません。

最近の子どもたちを見ていると、
「間違えること」を極端に恐れる傾向が強くなっているように感じます。

算数や数学の記述問題を出しても、
ノートに一歩目の式すら書こうとしない。

「間違えたら恥ずかしい」
「綺麗な正解だけを書きたい」

というプライドが邪魔をして、
思考のスタートラインにすら立とうとしないのです。

そして、挙げ句の果てに口にするのは、

「自分には生まれつき数学の才能がないから」
「頭が悪いからどうせ無理」

という言い訳です。

はっきりと言いましょう。
それは生まれつきの能力のせいなどではありません。

単なる「努力の不足」であり、
頭を使い続ける面倒なことから逃げるために、
「才能」という言葉を都合のいい隠れ蓑にしているだけです。

失敗したら、何度でもやり直して、
成功するまでやり続ければいい。

それだけの話です。

しかし、今のうちから
「失敗が嫌だから挑戦もしない」
という悪癖がついている子は、
将来、非常にシビアな現実に直面することになります。

このまま大人になれば、彼らは確実に
「機械(AI)に使われる側の人間」
になってしまうでしょう。

なぜなら――。

なぜ、これほどまでに子どもたちは
「できない理由」
を生まれつきの能力のせいにしたがるのでしょうか。

理由は極めてシンプルです。

「才能がない」ということにしてしまえば、
努力しなくて済むから

です。

「自分には向いていないから」
「文系だから」
「地頭が悪いから」

という言葉は、
思考を放棄し、面倒なことから逃げるためのこれ以上ない
免罪符になります。

本当の理由は、能力が足りないことではなく、圧倒的な

「向き合う時間の不足(努力の不足)」

に他なりません。

私はこれまでの指導経験の中で、
最初から完璧に問題を解ける子など見たことがありません。

学力を伸ばす子がやっているのは、
特別な魔法ではなく、至って泥臭い作業です。

間違えたら「なぜ間違えたのか」を徹底的に検証し、
ノートに自分の思考のプロセスを書き殴り、
正解に辿り着くまですぐに次の手を打つ。

彼らは「失敗」を「データ」として捉えています。

一方で、すぐに諦める子は、1回のバツ(×)がついた時点で、
自分の人格や能力そのものが否定されたかのように錯覚し、
ヘソを曲げてしまいます。

傷つきたくないから、次からは問題すら読まない。

そして
「どうせ僕の頭じゃ無理だし」
と、自ら可能性のシャッターを下ろすのです。

これは、自分の弱さと向き合うことを拒絶した「甘え」です。

厳しいようですが、この能力のせいにする心理を放置したまま、
いくら質の高い授業を受けさせても、
学力など1ミリも伸びはしません。

根本的なマインドを変えない限り、
すべての教育はザルで水を掬(すく)うようなものになってしまいます。

では、このように

「失敗を恐れて挑戦せず、できない理由を能力のせいにして逃げる」

という悪癖がついた子が、そのまま大人になったらどうなるでしょうか。

待っているのは、非常に残酷な未来です。

彼らは確実に、

「機械(AI)に使われる側の人間」

として、安く買い叩かれる存在になります。

これからの時代、
正解があらかじめ決まっている仕事や、
マニュアル通りにやれば絶対に失敗しない業務などは、
すべてAIやロボットが肩代わりします。

人間よりも遥かに速く、正確で、しかも文句も言わずに24時間働く機械に、
人間が「正確さ」や「ノーミス」で勝てるわけがありません。

そんな時代において、

「失敗したくないから、言われた安全なことしかやらない人間」

の価値はどこにあるのでしょうか。

「面倒だから自分で考えたくない」

と、思考を放棄する人間の居場所が、どこに残されているというのでしょうか。

指示されたタスクをただこなすだけの人間は、機械を動かすための
「代替可能なパーツ」
にすぎません。

機械の指示通りに身体を動かし、
機械に管理され、
AIが弾き出したデータに振り回される

――それこそが「機械に使われる人間」の正体です。

逆に、これからの時代に圧倒的な価値を持つのは、

「正解がない問いに対して、仮説を立てて試行錯誤できる人間」

です。

一回やってみてダメなら、何がダメだったのかを分析し、
アプローチを変えてもう一度挑む。

10回失敗しても、11回目に成功させるための論理的思考力と、
タフな精神力を持っている人間です。

失敗とは、避けるべき汚点ではなく、
次のステップに進むための重要な「データ」です。

この試行錯誤のプロセスこそが、AIには絶対に真似できない、
人間にしかできない領域なのです。

いま、目の前にある数学の難問から
「面倒だから」
「間違えたくないから」
と逃げているお子様は、
単に点数を失っているだけではありません。

将来、AI時代に自立して生き抜くための、
最も重要な「生きる力」を自ら放棄しているのだということに、
一刻も早く気付かなければなりません。

では、このように
「失敗を恐れ、思考を放棄する悪癖」
がついてしまった子どもたちを、
私たちはどう変えていくべきなのか。

当塾の教育的アプローチは、極めて明確です。

私たちは、単に「問題の解き方」を教える場所ではありません。

間違えることを恐れる脆(もろ)いマインドを打破し、
「できるまで試行錯誤できるタフな思考力」
を育てることこそが、本当の個別指導であると考えています。

具体的には、指導において以下の2つのことを徹底しています。

① 「綺麗なノート」ではなく「思考の足跡」を評価する

間違えるのが嫌な子は、ノートに何も書かずにじっと止まっているか、
すぐに解答を写そうとします。

当塾では、それを絶対に許しません。

白紙のノートで「わかりません」と言う子には、厳しく指導します。

「わからないのではない、考えていないだけだ」と。

私は、一発で出た正解よりも、
途中で間違えて消した跡や、図を書いてあれこれ悩んだ「思考の足跡」を評価します。

ノートは綺麗にまとめるためのものではなく、
自分の頭を動かすための戦場です。

最初の一歩を泥臭く書き出す勇気を、まずは徹底的に植え付けます。

② 「失敗」の定義を書き換える

子どもたちにとっての失敗は
「バツ(×)をつけられること」
になっています。

しかし、当塾での失敗の定義は違います。

本当の失敗とは、
「間違えた後に、何も考えずに解答を丸写しして終わらせること」
です。

間違えることは、自分の弱点を見つけるための
「最高のデータ」
を手に入れたことに他なりません。

バツがついた問題に対して、
「なぜ間違えたのか」
「どこまでが合っていて、どこから狂ったのか」
を徹底的に検証させ、自分の力で正解に辿り着くまで何度もやり直させます。

この「自力で壁を乗り越えた」というスモールステップの成功体験こそが、
能力のせいにして逃げない強い心を育てます。

教育とは、子どもが嫌がることから逃げ道を作ってあげることではありません。

面倒なこと、未知の難問に対して、自分の頭で考え、何度でもやり直して立ち向かう。

その「正しい努力の仕方」を、私たちは逃げさせずに徹底的に指導していきます。

最後になりますが、保護者の皆様に、
教育者としてどうしてもお伝えしたいことがあります。

お子様が
「どうせ僕には才能がないから」
「数学の頭じゃないから」
と口にしたとき、

どうか
「そうだね」
「人には向き不向きがあるからね」
と、同意して逃げ道を作らないでください。

それは、優しさではありません。

子どもの限界を大人が勝手に決めつけ、
その無限の可能性に蓋をしてしまう、最も残酷な行為です。

子どもが「才能のせい」にしているとき、その本質は
「努力するのが面倒くさい」
「傷つきたくない」
という一時的な逃避にすぎません。

そこで大人が一緒になって諦めてしまえば、
子どもは「逃げる技術」だけを身につけて大人になってしまいます。

その先に待っているのが、先述した「機械に使われるだけの未来」です。

今、私たちが大人の責任としてやるべきことは、
子どもの安易な言い訳を毅然とはねのけ、
「あなたには、やり直してやり遂げる力がある」
と、誰よりもその可能性を信じてあげることです。

信じるとは、甘やかすことではありません。

考え、間違え、恥をかき、
それでも自分の力で壁を乗り越えるその瞬間まで、
決して逃げさせずに伴走することです。

「失敗してもいい、成功するまでやればいい」

このタフな精神力と論理的思考力は、一朝一夕には身につきません。

だからこそ、今、この多感な時期の学習を通じて、徹底的に鍛え上げる必要があります。

お子様が将来、AIや機械を道具として使いこなし、
自分の人生を主体的に切り拓いていける人間に育つために。

私はこれからも、目の前の一問、ノートの一行から、
逃げない指導を貫いてまいります。

保護者の皆様にも、その覚悟を共有していただけることを切に願っています。

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雙葉進学教室 塾長。 指導歴40年 / 教育学修士(数学教育)。 大阪・沖縄・愛知の塾、 東京の大手塾の海外校で指導。 ロンドン・NY・上海などで日本人の子どもの受験指導を経験。 現在は愛知県半田市で学習塾を運営。

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