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ワークを3周したのに模試で落ちる理由|同じ順番で解けることと、解き方を選べることは別

ワークは3周した。
間違えた問題には赤で直しも入れた。
定期テストの数学も理科も、そこそこ取れている。

それなのに、模試の結果を見ると点数が落ちている。

「うちの子は、勉強しているのに成績が上がらない。何が足りないのだろう」

半田市で中学生の保護者の方とお話しすると、こうした相談をよくいただきます。

ワークの回数が足りないのではなく、
確認している力が違う可能性があります。

「同じ順番で解ける」ことと、
「解き方を自分で選べる」ことは、別の力です。

この記事では、その違いと、
ご家庭で確かめる方法をお伝えします。

1. 「解ける」と「選べる」は、分けて確認する

同じ順番で解けても、選べているとは限りません

ワークの多くは、単元ごとに並んでいます。

たとえば「二次方程式」のページを開けば、
そこにあるのは二次方程式の問題だけです。

ここで、お子さんの頭の中を想像してみてください。

  • 今は二次方程式のページだ
  • 前の問題は解の公式を使った
  • だから、この問題も同じ解き方だろう

この流れで解けているとき、

解き方の選択は、ページが肩代わりしています。

一方、模試や入試には、単元名が書かれていません。

問題文を読んで、自分で
「これは因数分解で解く問題だ」
と判断する必要があります。

つまり、ワークで測れているのは
「解き方を実行する力」、模試で問われるのは「解き方を選ぶ力」
を含んだものです。

家庭でできる確認方法は、1つだけ

確認方法は単純です。

基本が理解できた問題を、
既習単元から3問混ぜて解いてみる。

これだけで、「解ける」と「選べる」の差が見えます。

やり方は、第6章で詳しく説明します。

2. 単元名が分かる練習と、既習単元が混ざる練習の違い

単元名は、解き方のヒントになっています

「単元別の練習」と「混ざる練習」の違いを、具体例で並べます。

単元別の練習 混ざる練習
中3 数学(二次方程式) 「解の公式」のページで、解の公式を使って解く 因数分解・平方根・解の公式の問題が混ざり、どれを使うかを自分で選ぶ
中2 数学 「一次関数」のページで、グラフから式を求める 連立方程式の文章題、一次関数のグラフ、式の計算が混ざる
中2 理科 「電流」のページで、オームの法則を使う 電流の計算、化学変化の質量、グラフの読み取りが混ざる

左の列では、ページの見出しが答えの半分を教えてくれています。

右の列には、その見出しがありません。

塾で見かける「選べない」場面

二次方程式は、わかりやすい例です。

  • x² = 9 のように、平方根でそのまま解ける問題
  • x² + 5x + 6 = 0 のように、因数分解で解ける問題
  • 3x² + 5x − 1 = 0 のように、解の公式が必要な問題

どの解き方も、お子さんは知っています。
「解の公式のページ」だけを解くなら、
全問正解できる子もいます。

ところが、3種類が混ざると、手が止まります。
あるいは、因数分解で解ける問題に解の公式を使って、
計算が複雑になり、途中でミスをします。

こうした子は、解き方を知らないのではありません。

問題を見て、どれを使うかを決める練習が足りていない
のです。

横須賀高校や半田高校を目指す層で、
定期テストはよいのに模試で伸び悩む子は、
この壁に当たることが少なくありません。

【要差し替え:実際に塾で見た生徒の例(匿名・本人と保護者の同意済みのもの)があれば、ここに1〜2文で入れてください。例:中3の秋、定期テストは数学80点台、模試では二次方程式の大問で失点、など

3. 「解き方を選ぶ」ことは、模試でなぜ問われるのか

定期テストと模試・実力テストの違いとして、よく挙げられるのは次の点です。

  • 出題範囲が広い(定期テストは学期ごとの範囲、模試はこれまでの範囲)
  • 単元をまたぐ問題が出る
  • 試験前の暗記だけでは対応しにくい

どれも、そのとおりです。
そのうえで、もう1つ加えたい視点が、

「問題に単元名が付いていない」

ことです。

定期テストは、範囲が発表されます。

「今回は二次方程式と関数」
と分かった上で勉強し、解くときも
「あの単元の問題だ」
と見当がつきます。

模試では、その見当が使えません。

範囲が広いこと以上に、

ヒントがない状態で選ぶ

ことが、点数の差になって表れます。

4. 研究では何が分かっているのか

「種類を混ぜて練習するほうがよい」
という話は、聞いたことがあるかもしれません。

ここでは、数学の練習について調べた研究を、
数値とあわせて整理します。

研究が確かめたこと

いずれも海外の研究です。

① 大学生の研究(Rohrer & Taylor, 2007)

練習問題を、種類ごとにまとめた場合と、
混ぜた場合を比べました。

1週間後のテストでは、
混ぜた練習のほうが格段によい成績でした。

② 中学1年相当の研究(Rohrer, Dedrick & Burgess, 2014)

対象は米国の中学1年相当の140名です。

9週間にわたって、まとめた練習と混ぜた練習を比べました。

2週間後の予告なしテストの正答率は、次のとおりです。

練習の方法 正答率
まとめた練習 38%
混ぜた練習 72%

③ 大規模な比較試験(Rohrer ら、2020年)

米国の中学1年相当の787名(54学級)が対象です。

約100日間で8回の練習を行いました。

約1か月後の予告なしテストでは、
混ぜた練習が約61%、まとめた練習が約38%でした。

混ぜた練習の何がよいと考えられているか

研究者たちの説明は、本記事の第1章で書いたことと重なります。

まとめて練習すると、
直前の問題と同じ解き方を使えばよいと分かってしまいます。

混ぜて練習すると、問題ごとに
「どの解き方か」を選ぶことになります。

試験で求められる状況に、近い練習になる
というわけです。

ただし、この結果には限界もあります

誠実にお伝えしたいので、結果の限界も書きます。

  • 数値は米国の授業での結果です。半田市の中学生や、学校ワークに、そのまま当てはまるとは限りません。
  • 分数を学ぶ10〜12歳を対象とした研究では、混ぜた練習とまとめた練習に、はっきりした差が出なかったと報告されています。
  • 数学での効果について、まだ結論が出ていないという整理もあります。
  • 混ぜた練習は、間違いが増えやすいことも指摘されています。練習中の正答率は、まとめた練習のほうが高く見えます。

つまり、
「混ぜれば必ず成績が上がる」
とは言えません。

言えるのは、
「解き方を選ぶ練習」として、
混ぜた練習には意味がありそうだ
、
というところまでです。

ご家庭で試すときも、
「効果が保証された方法」ではなく、
「お子さんの状態を確かめる方法」
として使うのが安全です。

5. 基本が未定着の子は、まず同じ種類で固めます

結論:混ぜる前に、基本の理解が必要です

ここまで読むと、「とにかく混ぜればよい」と思われるかもしれません。
そうではありません。

基本が理解できていない問題は、混ぜる段階にありません。

はじめて習った解き方は、まず同じ種類の問題で、
仕組みを理解する必要があります。

「なぜそうなるのか」
が分かっていないまま混ぜると、
何が分からないのかも分からなくなります。

学習の初期には、同じ種類の問題をまとめて解く練習が、
足場になると言われています。

この点を直接調べた研究は、今回は確認できませんでしたので、
ここは「慎重な順序」としてお伝えします。

お子さんの状態別の進め方

お子さんの状態 練習の形 理由
基本が理解できていない 同じ種類の問題で、理解を固める 仕組みが分からないまま混ぜると、選ぶ以前に解けない
基本が理解できた 既習単元から混ぜる 問題を見て、解き方を選ぶ練習になる
同じ問題を何度も繰り返している 繰り返しを減らし、種類を混ぜる 同じ問題の3周目は、解き方を覚えた状態での再確認になりやすい

「同じ問題を3回」より「種類の違う問題を」

基本が理解できている子が、同じ問題を3回繰り返す。

これは、真面目なお子さんほどやりがちな勉強法です。

3回目になると、問題の答えや途中式を覚えています。

そのため、「解き方を選んでいる」のではなく、
「覚えた手順をなぞっている」状態になりがちです。

同じ時間を使うなら、
種類の違う問題を混ぜるほうが、
選ぶ力の確認になります。

これが、基本が理解できた子への勉強方法の提案です。

6. 家庭でできる「3問混ぜ」のやり方

「3」という数は、研究で決まった数ではありません。

ご家庭で無理なく続けられる大きさとして、
私たちが考えた設計です。

手順

  1. 基本が理解できた問題を1問選ぶ(今の単元)
  2. 前の単元から1問選ぶ
  3. さらに前の単元から1問選ぶ
  4. 解く前に、「これは何の問題か。どの解き方を使うか」を一言で言う
  5. 解く
  6. すぐに答えを確認する
  7. 解き方を選び間違えた問題に、印をつける

ポイントは、4と6です。
「何の問題か」
を声に出すことで、選ぶ作業が見えるようになります。

また、混ぜると間違いが増えやすいので、
答えの確認は後回しにせず、すぐに行います。

数学・理科の組み合わせ例

  • 中3 数学:二次方程式(因数分解で解ける問題)/連立方程式の文章題/一次関数のグラフ
  • 中2 理科:電流とオームの法則の計算/化学変化の質量の関係/グラフの読み取り

【要確認:実際に半田市内の中学校で使われているワークの構成に合わせて、組み合わせ例を差し替えてください】

結果の見方

お子さんの様子 読み取れること 次の一歩
解き方を言えて、正しく解ける 選べている 単元を増やす(4問、5問)
解き方は言えるが、計算で間違える 選べているが、実行でミスが出る ケアレスミスの分類へ(第2回の記事)
解き方を選べない、迷う 解法選択がまだ定着していない 似た2つの問題を並べて、違いを言葉にする
そもそも基本の問題が解けない 基本が未定着 同じ種類の問題で、理解を固める

「選べない」ことは、悪いことではありません。
どこで止まっているかが分かった、ということです。

7. 「定期テストでは取れるが、模試では落ちる」ときの相談

まず見るのは、点数ではなく、答案の中身です

定期テストは取れるが、模試になると落ちる。
このとき、雙葉進学教室では、次の順で見ていきます。

  1. 失点した問題が、どの単元の問題か
  2. その単元は、定期テストで取れていた単元か
  3. 解き方を知らなかったのか、選べなかったのか、実行でミスしたのか

2の「定期テストで取れていた単元なのに、模試で落ちた」問題は、解き方の選択が原因かもしれません。
そこに当たりをつけて、練習の形を変えます。

雙葉進学教室が大切にしていること

塾長の大岩が、すべての授業を直接指導しています。
アルバイト講師はいません。指導歴は40年、数学と理科の指導には特に力を入れています。

大手塾の集団授業では、一人ひとりの答案を細かく見ることは難しい場合があります。
個人塾だからこそ、「この子は、どこで解き方を選べなくなるのか」を、答案から具体的に見られます。

暗記やパターン処理に頼らず、「なぜその解き方を使うのか」まで理解することを大切にしています。
そこが分かれば、見たことのない問題でも、解き方を選べるようになります。

半田高校、横須賀高校、東海南高校など、地域の志望校を目指す小学5年生から中学生まで、数学と理科を中心に対応しています。


まとめ:ワークの回数ではなく、「選べているか」を見る

  • 「同じ順番で解ける」ことと、「解き方を選べる」ことは別の力です
  • 単元名が書かれたワークでは、解き方のヒントが見えています
  • 海外の研究では、種類を混ぜた練習のほうが成績が高い結果が出ています。ただし、差が出なかった研究もあり、条件つきの結果です
  • 基本が未定着なら、まず同じ種類の問題で理解を固めます
  • 基本が理解できたら、同じ問題を3回ではなく、既習単元から3問混ぜて解きます

今日の夜、お子さんが解いた問題から1問、前の単元から2問を選んで、並べてみてください。
「これは何の問題?」と聞いたとき、すぐに答えられるか。 それが、最初の確認になります。


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雙葉進学教室 塾長。 指導歴40年 / 教育学修士(数学教育)。 大阪・沖縄・愛知の塾、 東京の大手塾の海外校で指導。 ロンドン・NY・上海などで日本人の子どもの受験指導を経験。 現在は愛知県半田市で学習塾を運営。

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