成績が伸び悩む子の盲点?塾の現場で感じる「会話が成り立たない」という根本原因
「うちの子、塾にも通わせて家でも勉強しているのに、なぜか成績が上がらない……」
もしそんな悩みを抱えているなら、
お子様の日頃の「会話」に目を向けてみてください。
最近、塾の現場で生徒たちと向き合っていて、
ある強い危機感を抱くことがあります。
それは、一見普通に話しているようで、実は
「こちらが投げかけた質問に対して、明確な返事が返ってこない(会話が成り立っていない)」
子が非常に増えているという事実です。
例えば、塾やご家庭で次のようなやり取りに心当たりはありませんか?
-
テストの後に「手応えはどうだった?」と聞いても、「普通」「わからない」としか言わず、具体的な状況を何一つ説明できない。
-
間違えた問題に対して「これはどうやって解こうとしたの?」とプロセスを尋ねても、自分の考えを言葉にできない。
-
「何でこのミスをしちゃったのかな?」と、ただ原因を一緒に考えたくて理由を聞いているだけなのに、本人は「叱られている」と勘違いして、ただ黙り込んでしまう。
これらはすべて、相手の言葉を正確に受け止め、
自分の頭で考えて返すという「会話の力」が不足しているサインです。
厳しい現実をお伝えしますが、
塾で講師の説明をどれだけ聞いても、どれだけ熱心に机に向かっても、
この会話力が欠如している子は成績が伸びません。
なぜなら、
「講師の質問に的確に答えられない」ということは、
授業中の解説や教科書の文章も「正しく理解できていない」
と同義だからです。
点数を上げるためのテクニックや暗記に走る前に、
そもそもお子様は「会話」ができているでしょうか。
学校の勉強以前に、まずはこの致命的な盲点に向き合わなければ、
いくら時間をかけても学力は素通りしていくだけなのです。
会話が成り立たない子は、なぜ成績が伸び悩むのか?
「会話が成り立たないことと、勉強の成績に何の関係があるのか」
と思われるかもしれません。
しかし、私が40年以上の指導経験の中で確信しているのは、
「会話が成り立たない生徒は、十中八九、成績が悪い」
という厳しい現実です。
なぜ、的確な返答ができない子は成績が伸び悩むのか。
理由は極めてシンプルです。
「私(講師)が説明していることを、そもそも理解していないから」
です。
勉強における「理解する」というプロセスは、
講師の言葉を頭の中で受け止め、自分の知識と照らし合わせ、
論理的に咀嚼(そしゃく)する作業です。
これは会話と全く同じ脳の機能を使っています。
つまり、こちらの「なぜ?」という質問に対して
的外れな返答をしたり、
黙り込んでしまったりする子は、
授業中も同じ状態に陥っています。
講師の解説を「音」としては聞いていても、
その意味を1ミリも理解できていないのです。
言葉のキャッチボールができない子が、
教科書の難解な文章を読み解き、複雑な数式の論理を追いかけられるはずがありません。
成績が上がらない原因を
「勉強量が足りないから」
「うちの子は数学のセンスがないから」
と片付けるのは間違いです。
土台となる
「言葉を正しくインプットし、アウトプットする力」
が破綻している状態で、
どれだけ高額な教材を買い与え、
何時間机に向かわせても、
すべて砂漠に水をまくようなもの。
知識は右から左へ素通りし、
時間とお金を無駄にするだけに終わります。
成績の伸び悩みは、ノートを開く前、すでに日頃のコミュニケーションの時点で始まっているのです。
なぜ「的確な返答」ができないのか?3つの原因
では、なぜこれほどまでに「会話が成り立たない子」が増えてしまったのでしょうか。
その原因を紐解くと、現代の子どもたちが抱える3つの深刻な「不足」が見えてきます。
1. 語彙力(ことばの引き出し)の不足
そもそも、相手が使っている言葉の意味が分からなければ、
会話のスタートラインにすら立てません。
今の10代は、日常のコミュニケーションの多くをSNSの短いテキストや
「やばい」「それな」「きまずい」といった
一言の感情表現だけで済ませています。
その結果、少し抽象度の高い言葉や、
論理的な接続詞(だから、しかし、つまり等)を使われた瞬間に、
脳がフリーズしてしまうのです。
言葉の引き出しが空っぽな子に、
「この問題の条件を整理して説明して」
と求めても、返せる言葉を持ち合わせていないのは当然です。
2. 集中力(話を聴く姿勢)の不足
「聞く」と「聴く」はまったく異なります。
会話が成り立たない子は、講師の話をただの「BGM(背景音)」として耳に流しているだけで、
一言一句に集中して意味を捉えようとしていません。
ショート動画の普及により、現代の子どもたちは
「15秒、30秒の刺激的な情報」
をただ受動的に消費することに慣れきっています。
そのため、相手の話の要点をじっくりと追いかけ、記憶にとどめながら聴くという、
学習において最も重要な集中力が圧倒的に欠如しているのです。
3. 考える力の不足
最大の問題はこれです。
「何も考えていない」のです。
「この問題、どうやって解いたの?」
と聞かれたとき、成績の良い子は自分の頭の中の引き出しを開け、
プロセスを思い出し、論理的に組み立てて説明しようとします。
しかし、会話が成り立たない子は、
質問された瞬間に思考を放棄します。
「わからない」「普通」と言ってシャッターを下ろすか、
叱られていると被害妄想を膨らませて黙り込む方が、
自分の頭を動かすよりも「楽」だからです。
「自分で考える」という負荷から逃げ続けている子が、
応用問題や初見の記述問題に対応できるわけがありません。
「学校の成績を上げる」前に、まず「会話力」を上げる
点数が取れないからといって、
焦って問題集を買い足したり、暗記の時間を増やしたりするのは今日限りでやめてください。
土台となる「会話力」が崩壊している状態での学習は、
底に穴の開いたバケツに必死で水を注ぐようなものです。
学校の成績を上げたいのであれば、やるべきことはただ一つ。
勉強以前に、まずは「会話力」を徹底的に叩き直すことです。
ここで言う会話力とは、決して
「おしゃべりが上手になること」
ではありません。
「相手の意図を正確に受信(インプット)し、
自分の頭で論理を組み立て、言葉として発信(アウトプット)する力」
のことです。
入試や定期テストで求められる「記述力」や「応用力」の本質は、
すべてこの会話力の中にあります。
問題文(=出題者からの質問)を正しく読み解き、
自分の持っている知識を引っ張り出して、
解答用紙に論理的なステップを記述する。
これは、対面での高度なキャッチボールをペーパー上で行っているに過ぎません。
日常の会話すら成り立たない子が、
試験問題という見ず知らずの他人が作った文章と対話できるはずがないのです。
当塾では、生徒が問題の解き方を間違えたとき、
ただ正しい答えを教えることはしません。
「どうしてこの式を書いたの?」
「ここから何を導き出そうとした?」
と、徹底的に言語化させます。
自分の思考プロセスを自分の言葉で説明させる(=的確に返答する)訓練こそが、
真の意味で「考える力」を養うからです。
いくら時間をかけても成績が伸びないのは、
子どもの能力の限界ではありません。
アプローチの順番が間違っているのです。
小手先のテクニックに走る前に、
まずは言葉を正しく扱い、自分の頭で考えて話すという、
人間として最も基本的な力を育てる。
それこそが、結果的に最短ルートで学力を引き上げる唯一の方法なのです。
【まとめ】
ここまで読んでいただき、
「うちの子のことかもしれない」
と不安になられた保護者の方も多いのではないでしょうか。
ここで一度、胸に手を当てて振り返ってみてください。
ご家庭での日頃の会話は、本当に「会話」になっているでしょうか。
子どもが「お腹空いた」と言えば何も言わずにご飯を出し、
「プリントは?」と聞けば無言で差し出される。
そんな、言葉を省いた
「通じ合っている風の甘やかし」
をしていませんか?
あるいは、子どもが「普通」「別に」と返してきたときに、
「もっとちゃんと言いなさい!」
と感情的に怒るだけで、具体的な言葉の紡ぎ方を教えてこなかったのではないでしょうか。
子どもの会話力の低迷は、
現代の環境のせいだけでも、学校のせいだけでもありません。
日々の家庭でのコミュニケーションの積み重ねの結果でもあるのです。
今日から、お子様との会話の質を少しだけ変えてみてください。
「今日、学校どうだった?」
という大雑把な質問はNGです。
「普通」と返されて終わるのがオチです。
そうではなく、
「今日の給食で一番美味しかったメニューは何?」
「今、体育では何の種目をやってるの?」
と、主語や焦点を絞った問いかけをしてください。
そして、子どもが答えたら、
「へえ、何でそれが美味しかったの?」
「どうしてその種目が得意なの?」
と、理由や背景を答えざるを得ない球を投げ返してあげるのです。
一問一答で終わらせない。
言葉のキャッチボールをサボらせない。
この日常の訓練こそが、
子どもの脳を刺激し、
言葉の引き出しを開け、
やがて教科書を読み解く力へとつながっていきます。
机に向かうことだけが勉強ではありません。
家庭での何気ない対話こそが、最強の学習基盤を作ります。
当塾でも、目の前の生徒一人ひとりと妥協なき「言葉のキャッチボール」を続け、
ただの暗記マシーンではない、真に思考できる学力を育ててまいります。
雙葉進学教室では2週間の無料体験授業を行っています。
しつこい勧誘は一切ありません。 半田市で塾・学習塾を探している方、半田高校・横須賀高校を目指す方、 数学・理科を伸ばしたい小学生・中学生・高校生は、まず一度ご相談ください。
LINEでお問い合わせください。




