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理科の比例式でつまずく子。実は「小学校の割合」から始まっているという事実

こんにちは。

塾長の大岩です。

日々、塾で生徒たちと向き合い、理科の指導をしていると、
多くの子が「ある共通の壁」の前に立ちすくんでいることに気づかされます。

それは、「計算問題」です。

理科の計算問題というと、
複雑な公式をいくつも覚えなければいけないイメージがあるかもしれません。

しかし、実はその大半が、
ある一つのシンプルな決まりごと――「比例の関係」を使って、
「比例式」を立てればすっきりと解けるものばかりなのです。

例えば、中学2年生の化学で習う「物質の化合」がその典型です。

「銅と酸素が結びつくときの質量の比は 4 : 1 」

「マグネシウムと酸素なら 3 : 2 」

ここまでは、みんな一生懸命暗記してくれます。

さらに中学3年生になると、
あの誰もが苦戦する「イオン」の分野が登場します。

酸とアルカリが反応する「中和」の問題でも、
「実験データから、ちょうど中和する限界の数値を比例式を使って導き出す」
という、さらに一歩進んだ思考力が求められます。

愛知県の高校入試でも、
これらの「比例関係」を使った問題は、
毎年のように合否を分ける大問として出題されています。

「比の数字は覚えた。中和の仕組みも分かった。」

それなのに、いざ
「実験データをもとに比例式を立てて、分からない数字(x)を求めなさい」
と言われた途端に、ピタッと手が止まってしまう子が本当に多いのです。

私は40年間、教育の現場で多くの子どもたちを見てきましたが、この
「理科の計算が苦手」という現象の根っこは、
実は中学校の理科室にあるのではありません。

もっとずっと前

――「小学校5・6年生の算数」まで時計の針を戻したところに、
その本当の原因が隠されているのです。

理科の計算の壁=「比例式」の壁

「銅と酸素は 4 : 1。じゃあ、銅が 6.0g あったら、結びつく酸素は何 g?」

こういう問題に出会ったとき、理科が得意な子は頭の中、
あるいはノートにサッと次のような式を組み立てます。

4 : 1 = 6.0 : x

これが「比例式」です。

この式さえ立てば、
あとは中1の数学で習う

「内項の積と外項の積は等しい(内側同士、外側同士を掛け算する)」
というルールを使って、
4x = 6.0 から x = 1.5 と、あっさりと正解にたどり着くことができます。

中3のイオン・中和の問題だって同じです。

実験データの表から「塩酸 10㎤ に対して、水酸化ナトリウム溶液が 8㎤ で完全に中和する」
という関係を見つければ、あとはどんな数字を突きつけられても、
この比例式に当てはめるだけでパズルを解くように答えが出せるはずなのです。

ところが、多くの子がこの

「式を立てる」

という段階でフリーズしてしまいます。

「ええと、4 に何を掛ければ 6 になるんだっけ…?」

6 ÷4だから…あれ? 4 ÷ 6 だったっけ?」

と、頭の中で数字をこねくり回しているうちに迷子になってしまう。

実は、
この「比例式」という便利な道具を中1の数学で習う前、
子どもたちは小学校の算数で「比(ひ)」の基本を習っています。

そしてさらにその前には、
あの多くの小学生を苦しめる「割合(%や〇倍)」の壁を通過してきているはずなのです。

理科の計算で手が止まってしまう原因。

それは理科の知識が足りないからではなく、
この比例式の前提にある「比」や「割合」という概念を、
ただの「公式の丸暗記」で通り過ぎてしまったことにあります。

つまずきの根っこは「小学生の算数」にある

なぜ、小学校の「割合」や「比」でつまずいた子が、
中学校の理科でこれほど苦労することになるのでしょうか。

それは、小学校の算数で習う「割合」の本質が、
中学生の「比例式」そのものだからです。

多くの小学生が、
割合を習うときに
「く・も・わ(比べる量・もとにする量・割合)」
とか
「き・は・じ(距離・速さ・時間)」
という暗記の図を教わります。

もちろん、最初のうちはそれでも点数が取れるかもしれません。
しかし、仕組みを論理的に理解せず、

「公式に数字を当てはめるだけ」

の丸暗記で済ませてしまった子は、問題の形が少し変わっただけで途端に太刀打ちできなくなります。

割合の意味がわかっていないのに、ただ図に数字を当てはめればいいという考えでは、
文章題を解くことはできないです。

だから、雙葉進学教室では、この図を使って説明しません。

小学校の算数、中学校の数学、そして理科の計算。
これらは決してバラバラの教科ではありません。一本の太い線で繋がっているのです。

  • 小学5・6年:すべての土台となる「割合」と「比」の概念を学ぶ

  • 中学1年:それを文字を使って表す「比例式(方程式)」へと発展させる

  • 中学2・3年:その道具を使って、理科の「化学変化」や「中和」の実験データを読み解く

この学習の連続性(スパイラル)があるからこそ、
小学生のときの貯金が足りない子は、

中学生になって理科の定期テストや高校入試という大きな壁にぶつかったときに、
初めてその深刻さに気づくことになります。

「理科の教科書」
をいくらめくっても計算ができるようにならないのは、当然です。

つまずきの本当の原因は、
数年前に置き忘れてきてしまった

「算数のノート」

の中にあるのですから。

解決策:丸暗記の「当てはめ」を捨て、論理的なノートを作る

では、この理科の計算の壁を乗り越えるためには、
一体どうすればいいのでしょうか。

解決策はシンプルです。

公式への「数字の当てはめ」という丸暗記の勉強を今すぐ捨てて、

「なぜその式になるのか」
を言葉と文字で組み立てる論理的な思考

を育てることです。

雙葉進学教室では、
理科の計算問題に向き合う際、
生徒たちに徹底して実践させていることがあります。

それは、
「面倒くさがらずに、ノートに途中式と比のステップをすべて書き出す」
ということです。

頭の中だけで「46 になったから…」
と数字をこねくり回すのをやめさせます。

まずは問題文の条件を整理し、

  • (銅):(酸素)= 4 : 1

  • (実際の銅):(実際の酸素)= 6.0 : x

  • だから、

    4 : 1 = 6.0 : x

というように、
誰が見ても分かる論理のステップをノートの上に再現させるのです。

一見、遠回りに見えるかもしれません。
しかし、急がば回れ、です。

ノートに自分の思考のプロセスを正しく書き出す習慣がつくと、
計算ミスが劇的に減るだけでなく、
問題の難易度が上がったときにも

「どこで自分が迷子になっているか」
を自分で気づけるようになります。

もし、この比例式の組み立て自体でつまずいているのであれば、
中学生であっても私は遠慮なく小学校の「比」や「割合」の概念まで一歩戻って指導します。

根っこが腐った木に、
いくら理科という新しい枝葉をつけようとしても上手くいきません。

土台となる算数の本質に立ち返り、
そこをしっかりと固め直すこと。

それこそが、一見遠回りに見えて、
実は定期テストや高校入試で確実に得点できる「本物の理科の計算力」を鍛える唯一の近道なのです。

「理科の才能」のせいじゃない。正しいステップで未来を拓こう

理科の計算問題で点数が取れないと、

「うちの子は理系科目の才能がないのかしら…」

と不安になってしまう保護者の方も多いかもしれません。

でも、どうか安心してください。
子どもたちが苦しんでいるのは、
理科の才能がないからでも、頭が悪いからでもありません。

ただ、つまずきの原因(小学生のときの算数の置き忘れ)に気づかないまま、
目の前の理科の問題とがむしゃらに戦ってしまっているだけなのです。

原因が分かれば、対策は必ず打てます。

「なぜそうなるのか」を一つずつ紐解き、
正しいステップを踏んでいけば、

どんな子でも必ず理科の計算は得意になります。

中学校の定期テストでの得点アップはもちろん、
その先にある愛知県の高校入試で志望校への合格を勝ち取るために。

今から私たちと一緒に、表面的な丸暗記ではない
「本物の思考力」を身につけていきませんか?

小さなつまずきを見逃さず、根本からしっかりと支えてまいります。

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雙葉進学教室 塾長。 指導歴40年 / 教育学修士(数学教育)。 大阪・沖縄・愛知の塾、 東京の大手塾の海外校で指導。 ロンドン・NY・上海などで日本人の子どもの受験指導を経験。 現在は愛知県半田市で学習塾を運営。

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